Safie API活用事例

カメラ×AI画像解析で製造現場の効率化・省力化を図る
Safie APIの活用で解析がよりスムーズに

EAGLYS株式会社様

EAGLYS株式会社様

取締役 / CSO (Chief Strategy Officer), CRO (Chief Revenue Officer)

宮島千尋 さん

取締役 / CSO (Chief Science Officer)

丸山祐丞 さん

セーフィー株式会社

下崎(取締役 / プラットフォームビジネス開発室 室長)

木場(アライアンス戦略室)

誰もが安全で自由にデータを利活用できる社会の実現を目指すEAGLYS株式会社。秘密計算を中心としたデータセキュリティ技術とAI設計技術により、データを安全に連携・利活用できる基盤づくりとAIによる付加価値の創出に取り組まれています。同社では、セーフィーと協業しAI画像解析を活用したソリューションを提供。Safie APIと連携したAIシステムの開発も予定しています。

導入の詳細

導入目的

  • AI画像解析のシステム開発における映像データの連携のため

導入した結果

  • 近日、利用開始予定

利用しているAPI

静止画

「あらゆるデータを安全に活用し、価値に変える」をミッションとするEAGLYS株式会社。同社は秘密計算の技術で、データ連携における安全面での課題を解消しています。セーフィーではEAGLYSと共同で、カメラ×AI画像解析を活用した製造工場での生産ラインの異物検知のシステムを開発しています。この取り組みについて、EAGLYS株式会社取締役の宮島千尋さん、丸山祐丞さんにお話を伺いました。

秘密計算で安全なデータ連携を実現するEAGLYS

まず、御社の事業内容について教えてください。

宮島さん:
私たちは「あらゆるデータを安全に活用し、価値に変える」をミッションに掲げ、大きく2つの軸でビジネスを展開しています。

1つが、秘密計算といった技術を中心としたデータセキュリティ・データ利活用の支援サービスです。もう1つ、安全な方法で集めたデータを価値に変えるため、画像解析や数値解析といったAI解析のサービスを展開しています。

AIはデータを集めなければポテンシャルを発揮できません。しかし、インプットするためのデータを1社だけで集めていくのは大変なので、データ連携をする必要が生じます。そうなると、セキュリティなどの課題が出てきます。その課題を秘密計算の技術で解消し、かつAI解析までを一気通貫で行っています。

秘密計算とは具体的にどんな技術なのでしょう。

宮島さん:
これまでの暗号技術では、データの通信や保管をする際、暗号文の状態にすることで中身が見えない状態を作り出していました。それらのデータは、計算したり分析したりするときに、暗号文から平文に戻さなければなりません。その状態で悪意ある人にハッキングをされると、中身が見えてしまうのです。

万が一中身を見られてもヘッジできるよう、例えば「29歳、港区在住、氏名」という情報を、「20代、都内在住、女性」まで粒度を下げてデータ分析するといったことも行われてはいますが、そうなるとデータの質が落ちますし、データ連携もできません。

データ連携を一歩進めるために、そこをいかに解消するかがこれまでの課題でした。秘密計算では、暗号状態でのデータの計算、検索、共有までできます。安全にデータ連携して計算処理をし、結果だけをシェアすることができる。そうしたインフラ技術なのです。

EAGLYSの解析プラットフォーム上だけでなく、データ連携した先のプラットフォームでも、暗合化されたデータを活用できるのでしょうか。

宮島さん:
どちらかのプラットフォームにデータを預けるのではなく、お互いのあいだに1つの共通の基盤を作ります。そこを通るゲートウェイだけを我々が提供して、データを集めます。ゲートウェイに集まったデータはお互いの鍵を使って、「自分のデータは生で見えるが、相手のデータは生では見えない」という状態を作り出しています。

例えばサプライチェーン業界では、 スーパーマーケットチェーンなどの小売企業と、 飲料メーカーなどの中間卸売メーカーがCPRF(Collaborative Planning Forecasting Replenishment)でコラボレートして需要予測などをする仕組みがあります。しかし、実際は両者のデータが分断されていて、メーカー側ではどれくらい売れているかが把握できず、急な発注に対応できないことがあります。

メーカー側の出荷データと小売側のPOSデータを共通基盤の上で連携させれば、ある商品が関東地区で動いているから近隣の工場の稼働を高めるといった対応が可能になります。欠品を抑えられれば小売側の売上機会の損失を防ぐことができますし、在庫の効率化にもつながります。このように、データ連携で配送や物流自体をスムーズにすることができるのではないかと考えています。

エンドユーザーのニーズに応えるために「カメラ×AI画像解析」でセーフィーと協業

EAGLYSさんとセーフィーが共同開発を進めている案件について教えてください。

宮島さん:
とある製造業者さんの案件を一緒にやらせていただいています。生産ライン上の異物や残留物をAI画像解析で検知するといった内容です。

従来、こちらのお客様ではライン上の不具合は人が巡回してチェックしていましたが、そこをAI画像解析で自動化します。ベルトコンベア上で異物や残留物が溜まりやすい箇所にカメラを取り付け、AIでどれくらい不具合を検知できるかというPoCを実施。結果として、24m先の異物に対して91%の検知精度を実現しました。
次のフェーズでは、Safie APIを使った本開発に着手する予定です。

木場:
今回の協業については、両社でプレスリリースも出させていただきました。

SafieはAPIを始めとする機能が充実。映像撮影からシステムへの組み込みまで一気通貫で可能

本開発では、どのようにSafie APIを活用するのでしょうか?

宮島さん:
製造業者さんが希望しているのは、「製造ライン上に残留物があったとき、モニターの中で残留物が赤く示される」「残留物を取り除けば赤い表示が消える」といった仕組みです。これまでは、実際に取得した映像データを用いてどう検知できるかを中心に検証してきました。

木場:
PoCの段階では、Safieのクラウドからダウンロードした映像データをシェアしていたので、APIを入れていませんでしたが、本開発では静止画のAPIを使います。生産ラインが動き始めたら、取得した静止画から残留物があるかないかを判定していく仕組みです。

Safie APIにどんな期待をされていますか?

丸山さん:
AIは、データ取得をする部分と、判別する部分、その結果をサービスに変えてお客様に価値を提供する部分と、大きく3つに分かれます。 通常は、AIプロジェクトは一気通貫で行っており、画像を取得しクラウドに上げる部分なども1から10まで作ることが多いので、今回SafieのカメラとAPIを使ってみてとても楽に感じました。

既製品は何かしらの制約があることが多いのですが、セーフィーさんではAPIなどさまざまな用意がされていて、柔軟性もあってやりやすいですね。システムのデザインを組みやすいし、データも取りやすい。そういった点で非常にスムーズでした。

御社ではセーフィー以外の映像や画像を使った解析もされていると思いますが、比較してみていかがですか?

丸山さん:
データ取得から分析に入るまでの時間が非常に短いですね。クラウドにデータが集まってから、解析できるまでが早いです。 通常は、映像や画像を撮っても、それを本開発のシステムを組むときにどうすればいいか悩むものです。SafieはAPIをはじめ機能が充実しているので、そこを一気通貫で考えられているのがいいところだと思います。

今後は、画像ではないものも一緒に分析できればおもしろいと思います。他のセンサーで取得した情報などをつなぐことができれば、機械学習の観点からとても楽になりますね。

EAGLYSのデータセキュリティ技術を活用し、Safieクラウドプラットフォームの強化を図りたい

今後はどのような展開を予定していますか?

下崎:
先ほど丸山さんがおっしゃったように、画像とセンサーのデータを連携させて欲しいという要望はたくさんいただいています。例えば、温度のセンサーと連携させて、温度が高いときだけ画像が撮れるようにして欲しいなどですね。入力の部分に映像以外のデータを用いる際、そのデータをどう扱えばよいか、EAGLYSさんと一緒に開発を進めていきたいですね。

丸山さん:
センサー系の制御は、OS系の制御がありません。そもそも言語の思想が異なるもの同士でコントロールされているので、そこを束ねるのは技術的には非常に難しいのです。統一された規格ができれば、それは大きな話になりますね。

下崎:
セーフィーではエッジAIにも力を入れています。現場でリアルタイム処理をするときに、センサーの情報を取るためのプロトコルはたくさんありますが、エッジごとにセンサーの情報を取るのであれば、センサーにつながるエッジのプログラムを入れたり、エッジ側でプログラムしていったりといったところも一緒にやっていきたいと思っています。

プロトコルをどう解釈するかはフォーマットがあるので、そこをエッジ側で合わせ込み、「このセンサーをこう解釈するように」と設定するのが早いのではないかと。プログラムでエッジを変えていくところまでやっていきたいですね。

丸山さん:
それらがすべて一度に上がってきたら、ものすごく楽になりますね。

下崎:
今はそれをクラウド側でしていますが、アルゴリズムを入れたり、エッジ側を取ったり、場合によっては最初にフィルタリングのプログラムをセーフィー側に仕込んで両側でやることで、これまで難しかったことができるようになるのではないかと思っています。これから挑戦していく領域ですね。

丸山さん:
そこは、例えば顧客の情報を入れ込まなければ価値提供までたどり着けないことがあるかもしれませんね。現場で部品供給をしている会社さんからしたら極秘情報なので、そこでうちの秘密計算を入れていただいて、暗号状態で処理するといったことをしていただけたらと思いますね。

下崎:
それがend-to-endで、誰にもデータが見えない状態でできたらいいですね。それによって責任の分解点ができるので、お客様にはデータを管理をいただく、セーフィーではプロセッサーとしてデータを扱う。そうなると、お互いにハッピーだと思います。